太陽の光と睡眠そして3つのホルモンの関係性
”質のいい睡眠を獲得するためのゲームは、朝起きた時からすでに始まっている。”
人間は、太陽が出てそして沈む、(光と暗闇)というこの決まったパターンとともにずっと進化を続けてきた。
なので私たちの1日のサイクルはこの太陽の光がベースになっている。
太陽の陽とともに起床し活動を開始し、日没とともに眠りにつく、このリズムのことをcircadian rhythm (サーケディアンリズム)という。
しかしなぜ、朝太陽の陽を浴びることが、夜ぐっすり眠れることに繋がるのだろうか?朝と夜では時間も経っていて関係ないんじゃ?と思う人も多いはずだ。
実は、睡眠にとても深い関わりのある3つのホルモン、これらが私たちの身体で生産される特定の時間というのが決まっているということが1番の理由なのだ。
この3つのホルモンについて説明していこう。わかりやすくするために、それぞれのホルモンを皆さんもよくご存知のキャラクターに例えてみる。
メラトニン
質のいい睡眠を獲得するうえで、メラトニンはスーパースターのような存在。
みんな大好きなスーパースター、アンパンマンのような存在だ。
メラトニンが生産されると、私たちの身体の細胞に、寝る時間だ!とシグナルを送る。
実はメラトニンは陽が沈み暗くなると、自然と生産されるホルモンなのだが、現代では、このメラトニンの生産を台無しにしている人がとても多い。
ある科学者は、メラトニンの生産は年齢に深く関わっているといっている。子供頃はメラトニンの生産がすごく盛んで、年をとるに連れて、どんどん衰えると言った感じ。
でも心配なく、うまくこの光とつきあうことで、しっかりとメラトニンを生産でき、年をとってもちゃんと赤ちゃんのように眠れる。日中に自然の陽をしっかりと浴びて、夜はなるべく人工の光を浴びないことが重要。
コルチゾール
コルチゾールは最近は頻繁に耳にすることが多いホルモン。
よく、”ストレスホルモン”と呼ばれ、肥満のもととか、よく悪もの扱いされることが多い。
でも実はコルチゾールは私たちにとって、とっても重要なホルモンのひとつで、ただ誤解をされているだけなのだ。なので、ばいきんまんのような存在だ。
コルチゾールは朝私たちがおきて、活動を開始するエナジーを与えてくれます。仕事に集中できたり、運動できるのもコルチゾールのおかげ。
問題なのは、コルチゾールが必要なにときにたくさん生産されすぎちゃったり、必要なときに生産されなかったり、つまりはコルチゾールの生産のリズムとうまく付き合えていない時なのだ。
もともと、私たちの身体はこのcircadian rhythmにそって朝コルチゾールが生産され、夜その量が減るようになっている。実は先ほどのメラトニンと反対の関係になっていて、メラトニンは朝少なくなり、夜多くなる。
しっかりと日中に陽の光を浴びることで、陽が沈むころには、コルチゾールの量が減る。
セロトニン
セロトニンは私たちをハッピーに感じさせてくれるホルモンとして知られる。
なので、うつ病患者の薬には、このセロトニンをどうにかして生産するような仕組みでつくられたものが多い。
そして、もうひとつ忘れがちなセロトニンを働きは、私たちの体内時計を正常に保ってくれるということ働きだ。
しっかりと体内時計をサーケディアンリズムに整えてくれ、必要な時にメラトニンが生産できるように演出してくれる、そうアンパンマンをサポートする、ジャムおじさんのような存在だ。
私たちの目には、光を察知する特別な受容体がついていて、(まあソーラーパネルのようなイメージ)これが光を察知すると、脳にセロトニンを生産するように、指示をだす。
ちなみに、これはあまり知られてないことだが、セロトニンの95%は消化器官にあるそうだ。
ここでみんなは、光がぐらいいつもいやでも浴びてるよ!部屋のライトとか、電車の中とか、というかもしれない。
これは、わたしたちの目が光の眩しさの変化に、うまく対応できるようにできていることが原因で、実は私たちが気づいていないだけで、なんと、屋内の光は屋外にでて浴びる光の100/1の眩しさといわれている。曇りの日に屋外で浴びる陽と比べても、屋内の人工的な光は10/1の眩しさのようだ。
ここで面白い研究をひとつシェア。
ある会社で、陽の光を浴びることができる窓のアクセスがある社員と、アクセスがない社員を比べたところ、アクセスがない社員は、173%の割合で浴びる自然の光が少なく、毎晩平均で46分睡眠時間が少なかったようだ。
質のいい睡眠をゲットするには、この必要なホルモンを必要なときに生産することがキーポイント。これを達成するには、日中、特に朝に自然の陽をあびることが重要なのだ。
また日中に陽を浴びることもいいのだが、早朝に陽の光を浴びることが何倍もこのいい効果を効率よく与えてくれる。そして目の受容体から陽を察知することが重要なので、サングラスはNG。特に朝の時間は、しっかりとこの太陽の光を目から吸収するようにしよう!