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イノベーションのジレンマ#1

​放送日

2018年7月17日 15:00:00

イノベーションのジレンマ#1

大企業はイノベーションを起こすことができない。なぜでしょうか?

この理由を理解するためにブロックバスタービデオという会社の勉強をしましょう。
Blockbuster Videosは日本でいうとレンタルビデオのTSUTAYAです。
アメリカ中に広まり、個人運営のレンタルショップをつぶしていきました。

売り上げも好調のとき、2000です、あるスタートアップがダラスに来てミーティングをします。このスタートアップはインターネットのウェブサイトを使って映画を選び、郵便でDVDが送られてくるサービスを運営しています。

質問です:
このスタートアップ、パートナーシップに興味がないかと聞いています。
どうしますか?

答え:
ブロックバスターズはお断りします。
DVDのレンタル期間を超えてしまうお客さんからはLATE FEEと言って、罰金を取っていました。この罰金だけでも2000年には800億円の売り上げになっていました。売り上げ約16%です。
このスタートアップがやっているネットでのレンタルはほんの微々たるマーケットで、気にすることはないと判断したのです。

その後ブロックバスターはどんどん成長します。
2004年には8万人の従業員、アメリカに9000店舗、外国に4500店舗持っていました。

そんなころ、郵便でDVDを借りるスタートアップの売り上げがUSドル1Billionの売り上げ。
だんだんBlockbustersに影響が出てきた。

質問です:
どうしますか?

だんだん面倒な存在だと感じていて手を打つことにします。
2004年の8月にブロックバスターも同じようなDVDを郵便するサービスをスタート。
そして2007年にはこのサービスを改善して「TOTAL ACCESS」という、新しいサービスとしてリリース。ネットで映画を選び、DVDが郵便で配達され、見終わったら封筒で返すこともできますが、近所のブロックバスターの店舗でも返して店舗にあるDVDをそのまま借りれるシステムにします。
それにはブロックバスターにコストがかかり負担を感じます。
でもお客さんには好評でどんどんファンが増えてきます。

質問です:
郵便DVDのスタートアップはまたにもパートナーシップの提案をします。
スタートアップとパートナーになりますか?

答え:
また拒否します。

スタートアップは客をブロックバスターのTOTAL ACCESSに取られていたので実はこの拒否がとても痛かったのです。赤字が続いていて、破綻に向かっていました。

そんなある日、2007年の7月にブロックバスターはCEOをクビにして新しいCEOをセブンイレブンから引き抜きます。
クビにした理由はこの「TOTAL ACCESS」サービスが利益を減らしていて、株主たちからの苦情が増えていたからです。もっと利益が出せるはずなのに、もうからないネットのDVDレンタルビジネスに大事なリソースを積み重ねてきた元CEOに不満を持っていたのです。

新CEOは今の利益にフォーカスします。
Total Access 力を入れるのをやめコスト削減で株主ハッピー。

でもこのセレブレーションは長続きしません。
Total Accessから力を抜いたのはスタートアップにとって救い船になります。
どんどん売り上げの伸ばし、だんだんお店でDVDを借りるお客さんが減ってきます。

2010年にブロックバスターは破産。

質問です:
このスタートアップの社名はご存知でしょうか?

NETFLIXです。

このストーリーで学べる
イノベーションのジレンマのコンセプトは
NetFlixの株主の期待、そして
Blockbustersの株主の期待の違いです。


クリステンセンは、優良企業が合理的に判断した結果、破壊的イノベーションの前に参入が遅れる前提を5つの原則に求めている。

企業は顧客と投資家に資源を依存している。
既存顧客や短期的利益を求める株主の意向が優先される。
小規模な市場では大企業の成長ニーズを解決できない。
イノベーションの初期では、市場規模が小さく、大企業にとっては参入の価値がないように見える。
存在しない市場は分析できない。
イノベーションの初期では、不確実性も高く、現存する市場と比較すると、参入の価値がないように見える。
組織の能力は無能力の決定的要因になる。
既存事業を営むための能力が高まることで、異なる事業が行えなくなる。
技術の供給は市場の需要と等しいとは限らない。
既存技術を高めることと、それに需要があることは関係がない。

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