ハンバーガーのイノベーション
放送日
2018年6月19日 15:00:00
素晴らしい起業家は、何かの「問題を解決すること」です。
「求めているウェブサイトを見つけるのに時間がかかる」問題を解決したのがGoolge。
科学者のDr Pat Brown (biochemist)は「地球で一番破壊的なテクノロジーは動物を食物にする技術」だと信じていました。この環境問題を解決したい気持ちからImpossible Foods社が始まったのです。
待てよ、車の排気ガスの方が破壊的な人間の技術ではないだろうか?
DRブラウンによると、すべての乗り物(車、電車、飛行機、ロケット)が出す温室効果ガスより、家畜から出す温室効果ガスの方が多いと言います。
そうなの?
牛を育てるためには大量の餌を育てないといけないのです。そして地球の半分の土地がその家畜のために使われているそうです。
そうか、トウモロコシを何年も牛に食べさせてから牛を食べてエネルギーをゲットするよりトウモロコシを食べた方が効率いいですね。
QUESTION 1
これを知って今日からベジタリアンになりますか?
DRブラウンは2009年から研究を重ねて、2011年に植物から作る「肉」を開発成功!
見た目は牛肉。
焼き目も肉のように焼ける。
肉汁も出てくる。
味も肉。
答えは大豆の根っこに含まれる「ヘム」にありました。このヘムは肉にも存在する成分なので、このヘムを使って偽物肉を作ることができたのです。
ここで問題がありました。
1KGのヘムを大豆の根っこからとるのでは大量の根っこが必要なのです。
この問題を乗り越える解決法ををDRブラウンは考えだしました。
酵母のDNAをいじることでヘムを大量に生産することができたのです。
これならローコストでヘムを作ることができます。
QUESTION 2
もしあなたがDRブラウンだったらこの商品をどのように販売しますか?
A:スーパー
B:飲食店
もしスーパーで売るなら、スーパーのどこで売られることになるかを考える必要があります。
牛肉の隣?
冷凍食品?
誰に売りたいのか?
ベジタリアン?
肉が好きな人?
このような選択をしていくのが「マーケティング」です。
オススメの選択プロセスは、
自分が解決したい問題、
この場合いは「動物を食物にする破壊的なテクノロジーである技術」を削減すること。
この問題を解決するためにはお客さんの動作をどのように変えないといけないかです。
肉を食べるのをやめてベジタリアンになってもらう。
これはスイッチコストがとても高いです。
スーパーに肉ではない商品を牛肉の隣に置いてもらう。
これもスイッチコストが高いかもしれません。
ベジタリアンに好まれるベジタリアンバーガーを提供する。
これはスイッチコストが低いので可能ではありますが、解決しようとしている問題にインパクトはありません。
普段牛肉のバーガーを食べている人がImpossible Foodのバーガーを食べるようになるにはどうしたら良いのか?
この答えを出すのがこれからの課題です。
このケースで学ぶべきポイント
人間の行動を変えるのはとても難しい。
スイッチコストを低めて、
スイッチしたくなるインセンティブが必要。
これがマーケティング戦略となるのです。